こんにちは!アマカラ編集部の荒木です!
こちらでは、あまからおすすめの商品とそのお店のこだわりや想いなど、取材してきた内容をご紹介していきます。
今回紹介するのは、料理に調和する器が魅力の「森山陶器」。
シンプルな色合い、シンプルな形、どこにあっても私たちの日常に溶け込んでくれる器が目を引きます。
「森山陶器」は、2014年3月15日に開窯。
どんな風景にも瞬時に馴染む器には、天草のこだわりがギュッと詰まっています。
お話を伺ったのは、森山陶器の窯元・森山至さん。
森山さんが「森山陶器」を始めたきっかけや器づくりにかける思いなど、いろいろなお話を伺いました。
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森山陶器開窯までの道のり
(荒木)森山さんは、どのような経緯で現在の仕事を始められたのですか?
「丸尾焼」(天草にある歴史ある窯元の一つの)の息子さんから、ちょっと手伝ってもらえないかとお声がけいただいたのがきっかけです。
アルバイトとして働いていたのですが、それまで陶芸の経験なんて全く無かったんですけど、性に合ってるなと感じたんです。
それから、「丸尾焼」で9年修行して、その間にスペイン留学に行ったり色んな経験を積み、現在に至ります。
-丸尾焼との出会いは大きかったですね。
そんな森山さんの作った「森山陶器」はどんな所ですか?
他の窯元にはない作りで、入って左側にショップ、右側に工房という形になっています。
この家の造り的に工房をここにするしかなかったのですが、来店された方に器を作っている姿を見てもらえますし、目の前で少しずつできていく様子を見ることができるのは魅力の一つになっているのかなと思っています。
ただ、大変なこともあって…。
土の粉が舞ってしまうので、商品や棚の掃除が大変なんです。
あと、見ていただけるのは本当に嬉しいんですけど、どうしても集中力が欠けてしまうので、これは私の悩みですね。
-実際に作られている森山さんの様子やお顔が見られてお客様も嬉しいのではないでしょうか!
妻にもたくさん助けてもらってます。
私が作陶にできるだけ集中できるように、対外的なやり取りを担当してくれているんです。
感謝の気持ちでいっぱいです。
毎日使いたくなる、日常に溶け込む器を作りたい
-器を制作するときに心がけていることはありますか?
常に心がけているのは「料理に調和する器」であるかどうか。
普段使いのできる器作りを目指しています。
-どれも日常に溶け込む素敵な作品ばかりですよね!
仕事をしていて大変なことはありますか?
土や灰、鉱物などの自然の素材を使うので、そうした素材の扱いは大変ですね。
例えば、灰に何か混ざっていると「想定していた色」と全然違う色が出てしまうことがあります。
自然のものなので、安定した色が出にくいんです。
-仕事をしていて嬉しいと感じるのはどんな時ですか?
先ほどは、違うものが混ざっていると違う色が出るので大変だと言ったんですが「思いがけない色」が出る時もあるんです。
嬉しい誤算と言えますね。想定と違う色が出るのは、悪いことばかりじゃないんですよ。
それから、「森山陶器」はInstagram(@moriyama_touki)も開設しているんですが、お客様の投稿から、購入していただいた器を使っている様子がわかった時は嬉しいですね。
やはり、リピーターの方が来てくださるのは心の支えになります。
この間は、5年前に一度来てくださった女性が、
「当時はまだ学生で買えなかったので買いに来ました!」
と言って、長崎から買いに来てくださったり、
東京の展示会で見ていただいた方が、広島から天草まで、遠いところでは北海道からも来ていただき、本当にありがたいです。
もちろん嬉しいですし、やりがいにもなっています。
自分に誠実に、お客様に誠実に、作品に誠実に
-仕事のこだわりは何かありますか?
いろんな情報を見ると影響されやすいタイプなので、なるべく見ないようにしています。
自分の作りたいものを作るんだと言い聞かせて、自分に正直に作品づくりをするようにしていますね。
自分にも、もちろんお客様にも正直でありたいです。
あとは、作陶以外の時間を有意義に過ごすようにするのもこだわりかもしれません。
自給自足とか、アウトドアとか、活発に動きたいタイプなんです。
農業もしていて、畑はお店の前のものを近所の方に借りています。
船も持っているので、船を出して魚釣りに行くこともあります。
サーフィンも好きで、休みの時は家族でアウトドアを楽しんでいます。
《オススメ》色付けにこだわった『豆皿』
-それではいくつかの商品について教えてください。
まずは豆皿ですが、こだわったポイントを教えてください。
白っぽいようなグレーっぽいようなものと、緑のものがありますよね。
それぞれ使っている釉薬(ゆうやく)が違っているんです。
白い方は、天草で塩作りをしている通詞島の嘉六屋鹽さんからいただいているもので、塩を作る過程で作られるカルシウムを使用しています。
緑の方は、灰釉(かいゆう:木や草の灰を溶かして作った釉薬)で、大きく分けると3種類くらいある中のイス灰類で、マツやカシの灰釉です。
この釉薬がほんのり緑になるんです。
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《オススメ》サイズによってさまざまな使い方ができる『たね皿』
-次に『たね皿』ですが、どんなこだわりがありますか?
普段使いできる器を考えたときに、パスタやカレー・煮付けなど、さまざまな用途で活躍するお皿を作りたいと思って作りました。
質感や風合いは器ごとに少しずつ違います。
実際に見てみると印象が違ったり、写真には写りきらなかったこだわりも感じていただけると思うので、ぜひ一度は足を運んでいただきたいです。
今後の取り組みについて
-最後に、今後の取り組みについて考えていることはありますか?
薪窯で焼いてみたいですね!これは夢です!
今はガス釜なので…。
民家だとどうしても煙が出てしまうので、薪窯を使うことができないんです。
山の方の家に移って挑戦してみたいですね。
そうすると、どんどん夢も広がって、こんな家に住んで、どこに薪窯があって、作業場はここにして、展示スペースはこんな感じで作って…、なんて想像だけがどんどん膨らんでいます。
たとえ薪窯のために山に家を移したとしても、先ほども言っていたように、お店で売るのが一番だと思っているので、そのスタイルは変えることはないです!
取材を終えて
お店に入るとゆったりとしたおしゃれな音楽がいつも流れています。
奥様にもお話を伺うと、至さんの良いところは「背伸びをしないところ」と「自分を大きく見せずに等身大の自分でいるところ」と教えてくださいました。
実際に取材を通して、奥様のおっしゃる通り、自然体で飾らないところが素敵でした。
休日には船を出して釣りに行ったり、畑作りをしたりと、アウトドアが好きという一面を知ることができ、森山さんの新たな一面を見たような気がします。
そんな森山さんの作る器は、力強さを感じさせながらどこか優しい雰囲気を纏っていると感じました。
ただ、やはり言葉にして表現するのはなかなか難しいので、ぜひ実際に見て、手に取って、森山さんの作る器の魅力を感じていただきたいです!
奥様も素敵な方で、草木染めの作家さんや、アロマをされている方、帽子作家の方の話など、毎回訪ねるたびにおしゃれな情報を教えてくださいます。
今回取材に行った際も、カフェのイベント情報を教えていただきました。
窯元を訪れた際には、奥様とも色々とお話をしてみてほしいです。
旬な情報が手に入るかもしれません!
優しいご夫婦がいらっしゃる森山陶器にぜひ足を運んでみてください。
名称 |
森山陶器 |
---|---|
所在地 |
〒863-2424 |
営業時間 |
10:00-17:00 |
定休日 |
日曜日 |
電話番号 |
0969-34-0140 |
SNS |
|
WEBサイト |
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